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マツダ、新エンジン搭載車「CX-30」発売 感性に訴え - 日本経済新聞

SUV「CX-30」にも新エンジンを搭載し発売する

SUV「CX-30」にも新エンジンを搭載し発売する

マツダは燃費を改善し走行性能を高めた新型エンジン「スカイアクティブX」を搭載した多目的スポーツ車(SUV)「CX-30」を16日から全国の販売店で発売した。国内で同エンジンを搭載するのは2車種目となる。国内、海外ともに販売が伸び悩んでおり、ユーザーの関心が高い新型エンジンの投入で活性化を狙う。

独自の燃焼方式で走行すると画面右上が緑色に光る

独自の燃焼方式で走行すると画面右上が緑色に光る

新型エンジンは、マツダ独自の圧縮着火燃焼技術が使われている。ガソリンエンジンながら、ディーゼルのように同時多発的に素早く燃焼するよう特殊な方法でガソリンを着火。少ない燃料で効率よく燃焼するため、従来のガソリンエンジンより燃費性能は1~2割改善しているという。「CX-30」の新型エンジン搭載車は、329万4500~371万3600円。

自動車業界では電動化に注目が集まるが、マツダは並行して既存の内燃機関の技術革新にも力を入れている。

2030年時点でも約9割の車が内燃機関を採用しているとみられており、「環境低減のためには内燃機関で使う燃料を少なくし、無駄がない効率改善が必要不可欠だ」(中井英二執行役員)。燃費を改善し環境負荷を減らしつつも、走りにもこだわる。一挙両得のエンジンをめざす。

運転を楽しむというとスピードを出して走るイメージが強い。「止まりたいときにしっかりと止まる、スムーズに走り出すなど、自分が思ったように車を動かせるという楽しさを実感してほしい」(パワートレイン開発本部の井上政雄氏)と、こだわりを実現する技術を追求している。

先行して販売した欧州では小型車「マツダ3」の受注のうち6割が新型エンジン搭載車だという。「欧州には車に興味がある人が多いためだろう」(国内営業本部の斉藤圭介主幹)と分析している。運転を始めたばかりのエントリーユーザーというよりも、運転経験を積んだ「玄人」向けともいえそうだ。

トップエンドの商品として、「これまでアプローチがあまりできていなかった欧州車やプレミアム車を好む層の獲得にも取り組む」(斉藤氏)。それと同時に、「走るよろこびの究極でマツダを象徴するエンジン」(斉藤氏)として、車にこだわる層以外へ存在感を示したい考えだ。

もっとも、こうしたこだわりは「感性」に響くものでもあり、これまでのエンジンとの差をはっきり伝えきれるとは限らない。外観や内装のように目に見てすぐわかるものでもないため、販売やマーケティング面では工夫が欠かせない。

新型エンジンを搭載した「マツダ3」を12月に発売した日本では、まず車への関心が高いユーザーの来店が多いという。同グレードの2リットルガソリンエンジンと比べると約70万円高い。車両価格に見合ったメリットを、消費者に納得してもらえるかが新型エンジンの評価につながる。

積極的に展示イベントを開くほか、試乗についても「従来のように短時間ではなく、一日貸し出して乗り心地を体感してもらう」(斉藤氏)などより体験型の販促を繰り広げる。国内では19年の新車販売が3年ぶりにマイナスとなり、消費増税後も低調が続く。ユーザーの関心を呼ぶ製品だけに、その価値をどう訴求できるかがカギとなりそうだ。(岡田江美)

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January 16, 2020 at 09:30AM
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