時代とともに売れ筋のカテゴリーが変わり、人気のクルマも変わってきた。
今回は各メーカーの売れ筋であり、またメーカーの顔でもある主力モデルにはどのような変化があったのか? 2000年、2010年、そして現在の2020年、10年ごとに主力車はこう変わった! という変遷をまとめてみた。
※本稿は2020年5月のものです
文/片岡英明
写真/TOYOTA、NISSAN、HONDA、SUBARU、MAZDA、SUZUKI、DAIHATSU、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2020年6月26日号
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■流行とともにセダンからミニバン、そしてSUVへ トヨタ 主力車の変遷
トヨタが生んだ20世紀の名車が「カローラ」だ。1969年度から連続してベストセラーカーの座にあった。2000年は日本では8代目から9代目にバトンタッチする時期である。9代目は「ニューセンチュリーバリュー(NCV)」をコンセプトに掲げ、ワゴンは「フィールダー」を名乗った。

チャレンジングなデザインに加え、インテリアなどの質感も上級クラスに肉薄する。販売台数トップの偉業はフィットに阻止されて33年で途切れた。が、国民車と呼べるほど、幅広い層の人に愛されている。初の3ナンバー車となった現行カローラの売れゆきも好調だ。
2010年はハイブリッド車の「プリウス」が破竹の快進撃を続けた。が、注目したいのはプレミアムミニバンの「2代目アルファード」と兄弟車の「ヴェルファイア」が「クラウン」以上に売れていたこと。登場したのは2008年で、当初はガソリンエンジンだけの設定だった。販売目標は月に3000台だったが、すぐに2倍以上の8000台を売っている。

2012年には待望のハイブリッド車を加え、V型6気筒エンジン搭載車とは違う魅力を振りまいた。が、2020年はユーザーの嗜好に変化が見られる。ヨーロッパのように快適なクロスオーバーSUVの人気が再燃してきたのだ。
北米メインの「RAV4」は大柄なボディだが、走りのよさが認められ、発売直後から大ブレイクした。間もなくプラグインハイブリッド車も登場する。その下のライズとロッキーも安定して売れているなど、SUVの勢いが強い。

■今は亡きキューブが20年前の主力モデルだった 日産 主力車の変遷
21世紀を前に日産は経営不振に陥り、フランスのルノー傘下に収まった。販売台数は大きく落ち込んでいたが、元気だったのはマーチ派生のコンパクトワゴン「キューブ」だ。軽ハイトワゴンが人気だったことも追い風となり、機動力の高いキューブはクリーンヒットを飛ばしている。

合理的な設計に加え、2002年秋に登場した2代目キューブはデザインもキュートで愛らしかった。だから女性ユーザーが飛びつき、発売直後は月に1万台を超える販売台数を記録している。左右非対称のドアや横開きのバックドアも評判がよかった。
2010年の主役は5ナンバーミニバンの「セレナ」だ。3代目が2005年5月に登場したが、キャビンは広いし、シートアレンジも多彩だったからファミリー派のユーザーを中心にファン層を広げている。ライダーも走りにこだわる人たちを魅了した。

2007年から3年連続でミニバンの販売首位の座に君臨。復活劇の原動力となる。2010年秋にモデルチェンジして4代目になった。この年は2位だったが、2011年に再びミニバントップの座を奪い、現在まで安定して売れ続けている。
だが、2020年の主役はコンパクトカーの「ノート」だ。現行モデルは2012年の誕生だが、2016年12月に追加したシリーズハイブリッドのe-POWERによって復調。アッという間に販売トップの座に上りつめた。モデル末期の今もトップ10の常連だ。今年後半に登場すると噂される次期ノートも日産のエースになるだろう。

■各年代ごとにヒット作を生み出すホンダパワー ホンダ 主力車の変遷
1996年にクリエイティブムーバー第3弾として登場した「初代ステップワゴン」は、今につながるミニバンブームに火をつけた傑作車だ。遊びのための広い移動基地としてユーザーを魅了し、ポップアップルーフを装備したフィールドデッキもアウトドア派を中心に好評を博した。

ステップワゴンは広いキャビンに加え、シートアレンジも多彩だ。また、商用車ベースではなく乗用車ベースだから走りの質は高いし、快適性もセダンを凌ぐほどである。当然、ヒット商品となり、ホンダの救世主にもなった。だから2001年に登場した2代目はキープコンセプトだ。
2010年の主役は、革新的なセンタータンクレイアウトによって広いキャビンを実現した「フッィト」になる。ワゴン並みに後席は広く、荷物も積みやすい。また、スポーティな走りも魅力だった。2007年に登場した2代目は正常進化だ。気持ちいい走りを見せたが、2010年秋にハイブリッド車を加え、売れゆきはさらに勢いを増している。

2020年のヒーローは軽スーパーハイトワゴンの「N-BOX」だ。2011年11月に誕生したが、2012年度には早くも販売台数ナンバー1に輝いた。この勢いは2017年に登場した2代目でも衰えない。キャビンはさらに広くなり、しかも軽量化したから活発な走りを見せる。先進安全装備も充実した。

■レガシィが北米重視となって国内の主力が変わった スバル 主力車の変遷
スバルがプレミアムブランドの地位を確立したのは「レガシィ」の成功によってである。2000年は、3代目レガシィの全盛期だ。1998年6月に主役の「ツーリングワゴン」と「ランカスター」がモデルチェンジし、年末にはセダンが「B4」の名で登場した。キープコンセプトに思えるが、メカニズムは大きく進化させている。

リアサスペンションをマルチリンクに変え、一部グレードには挙動安定制御システムや運転支援システムのADAを設定した。また、水平対向6気筒エンジンも追加する。レガシィのなかでもっとも売れ、今もファンに愛されているのが、この3代目だ。
2010年の主役もレガシィである。2009年春に5代目になり、北米市場を優先して大柄なボディをまとった。リーマンショックの影響でコストダウンが目についたが、運転支援システムのアイサイトを加えたことが奏功し、スバルの代表の座を死守している。2012年には2Lの直噴ターボ、DITを加え、魅力を増した。

が、2020年の基幹車種に成長したのは、レガシィの下に位置する「インプレッサ」だ。5代目は日本の道路事情に合った大きさで、新世代プラットフォームを採用したから走りの実力と安全性能も大きく引き上げられている。主役は4WDの「インプレッサスポーツ」。路面や天候にかかわらず安心感のある走りを披露する。
全車、アイサイトに加え、歩行者保護エアバッグを標準装備するなど、安全装備の充実ぶりは世界トップレベル。

■4WDのイメージを保ちながら主力車は大きく変化 三菱 主力車の変遷
1990年代の三菱は、卓越した走破性能を誇る4WDのRV軍団が好調に売れた。が、直噴エンジンのGDI戦略でつまずき、「ギャラン」や「ディアマンテ」「パジェロ」は伸び悩んでいる。
これとは反対に1998年に規格を改正し、安全性能を高めた軽自動車は躍進した。なかでも安定した売れゆきだったのが、流行にとらわれない「パジェロミニ」だ。

パジェロの末っ子だが、本格的な4WDシステムを採用し、タフな走りを見せた。ターボ搭載車はパンチがあり、速い。キャビンは今一歩の広さだが、通勤の足としても活躍したし、運転しやすいから女性ファンも多かった。
2010年の主役もRVの流れを汲むクロスオーバーカーだ。この年に車名を復活させた「RVR」は世界戦略車で、走りの質は高いし、アイドリングストップ機能や減速回生システムなど、先進装備を積極的に盛り込んでいる。日常の取り回し性に優れ、ビギナーや女性も運転しやすい。
そして現代の三菱のエースは4WDを主役とする異色のミニバン「デリカD:5」だ。デビューは2007年だが、2019年にビッグチェンジを敢行し、息を吹き返している。2.2Lのクリーンディーゼルを採用するとともに4WDシステムやサスペンションも変更した。安全性能も向上させたから今も安定して売れ続けている。


■人気だったミニバンが消え今はSUVが売れ筋 マツダ 主力車の変遷
2000年を前に鮮烈なデビューを飾り、ヒット作となったのがLクラスのミニバン「MPV」だ。堂々たる大きさで広いキャビンに加え、両側を電動スライドドアとしたから乗降性も優れていた。快適な3LのV型6気筒エンジンを積んでいながら買い得感も高かったのでヒットした。

2010年の主役は、3代目の「デミオ」だ。コンセプトを変えてスタイリッシュなパッケージングに振ったのが功を奏し、モデル末期まで安定した売れゆきを誇っている。2011年にはSKYACTIVエンジンの搭載車第1号となった。ガソリン車でも燃費はいいし、走りもスポーティな味わいだ。
現在のエースは、アーバンSUVの「CX-30」である。キュートなデザインだし、ディーゼルや新しい圧縮着火のSKYACTIV-xなど、エンジンの選択肢も多い。意のままの気持ちいい走りに加え、キャビンも快適だ。先進安全装備も充実している。


■大ヒットしたワゴンRから今はスペーシアへ スズキ 主力車の変遷
今のハイトワゴンブームに火をつけたのが「ワゴンR」だ。2000年は新規格になると同時に登場した2代目のワゴンRの円熟期である。
真摯な改良によってモデル末期まで一級の実力を温存し、毎月1万5000台を超える販売をコンスタントに叩き出した。ターボに目がいくが、NAエンジン仕様も軽快に走る。


2010年は「スイフト」が欧州テイストの軽やかな走りによってファンを増やした。が、主役を務めたのはワゴンRだ。その4代目はインパネシフトのCVTを採用し、スポーティ派の「スティングレー」を投入するなど、若者方向に振った。また、低燃費技術も積極的に採用したから軽ナンバー1の座を守り通している。
2020年はスーパーハイトワゴンが主役だから、ファッション性も高めた2代目の「スペーシア」が主役の座に就いた。スペーシアの走りは思いのほか軽快で、SUV風の外観の「ギア」も人気だ。

■軽スーパーハイトワゴンの新ジャンルを確立 ダイハツ 主力車の変遷
ダイハツは1995年夏に「ムーヴ」を発売し、軽自動車のハイトワゴン市場に打って出た。1998年には新規格に生まれ変わり、安全性能を大幅に高めるとともに機能性と走りも磨いている。それまでダイハツの主力は「ミラ」だった。が、この時期から広くて快適なムーヴが主役になっている。

このムーヴのお株を奪ったのがスーパーハイトワゴンの先駆車となった「タント」だ。初代は子育て世代のママのハートをつかんだ。これを発展させた2代目は、左側のピラーを取り去ったミラクルオープンドアを採用し、利便性をさらに高めている。初代の弱点だった大きなロールも解消し、操縦安定性を向上させた。
2020年のダイハツのエースも「タント」である。2019年夏に登場した4代目はキャビンの快適性と利便性をさらに高め、走りの質感と実用燃費にもメスを入れた。また、充実した安全装備も自慢のひとつ。


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June 14, 2020 at 04:00PM
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