アフガニスタン東部で福岡市の非政府組織(NGO)「ペシャワール会」現地代表の医師中村哲さん(73)が銃撃された事件で、中村さんは4日の発生当時、自分の車と他の車の計2台で移動していたことが9日までのアフガン警察の調べで分かった。警察は当初、1台で移動していたと説明していたが、訂正した。

ペシャワール会の福元満治広報担当理事も9日、中村さんの車の後方に警備車両が1台同行していたと明らかにし「2台で常に行動していた」と強調した。

一方、中村さんは失血により死亡したとみられることが9日、アフガン保健省幹部への取材で分かった。

保健省幹部によると、中村さんは複数の銃弾を受けたとみられ、ナンガルハル州の州都ジャララバードの病院で緊急手術を受けた。その後、別の場所でさらなる治療を受けるため空港に搬送された際、再び傷口から大量に出血したという。

中村さんは4日朝、かんがい作業の現場に車で向かう途中に襲撃された。地元メディアが公開した現場近くのものとされる防犯カメラの映像には、襲撃後とみられる男らが白色の乗用車2台に乗り込んで逃走する様子が写っていた。警察は6、7人の男らが中村さんの車を待ち伏せした計画的犯行とみている。(共同)