
マセラティ グラントゥーリズモ(2007-2019年)
クルマ好きなら一度は憧れたことがあるだろうスーパーカー。その黎明期から現代までをたどる連載企画。第76回は「マセラティ グラントゥーリズモ」だ。 【写真】リアビューやインパネ、グランカブリオなどを見る(全7枚) 1970年代の第一次スーパーカー ブームでは、ギブリやボーラなど魅力的なスーパースポーツカーを生み出していたマセラティ。だが、1975年にデ・トマソ傘下となってからは、ビトゥルボのようなGTカーでヒットを生むが、スーパーカーと呼べるものは作られてこなかった。 1993年にマセラティはフィアット グループの傘下となり、1998年には久しぶりにV8エンジンを搭載した3200GTが登場する。そして2007年のジュネーブ モーターショーで、スタイリングもパフォーマンスもスーパースポーツカーと呼ぶにふさわしい「グラントゥーリズモ」がデビューを果たした。 2005年のジュネーブ モーターショーにマセラティが出展したコンセプトカー「バードケージ 75th」をモチーフにしたスタイリングは、ロングノーズ/ショートデッキのファストバックスタイルながら、前後のフェンダーに抑揚をつけた美しいもの。デザインはピニンファリーナで、フェラーリ 599GTB フィオラノなども手がけたジェイソン・カストリオタ。ちなみに前述のバードケージ 75thも彼のデザインによる。 グラントゥーリズモはスーパースポーツクーペだが、リアシートも十分に居住性のある4シーターだった。基本コンポーネンツは、2005年にデビューしたマセラティのフラッグシップ サルーンであるクワトロポルテ(5代目)と共有している。 ロングノーズの下に搭載されたパワーユニットはフェラーリが手がけたV8 DOHCで、当初は4.2L(正確には4244cc)だったが、ハイパフォーマンス版では4.7L(4691cc)となり、ここで紹介している2012年に発表された「グラントゥーリズモ スポーツ」では、最高出力は460ps、最大トルクは520Nmにまでパワースペックは向上されている。 ミッションは、トルコンATと「MCシフト」と呼ばれるシングルクラッチAMTが設定され、後者はトランスアクスル方式を採用していた。グラントゥーリズモ スポーツは「スポーツ スカイフック システム」と呼ばれる連続ダンピング コントロール システムも搭載し、滑らかで上質な乗り心地ももたらされていた。 2009年のフランクフルト モーターショーではグラントゥーリズモをオープンにし、ソフトトップを備えた「グランカブリオ」も登場。美しいオープンモデルとして、クーペのグラントゥーリズモと人気を二分した。 発表以来12年も生産され続けたグラントゥーリズモとグランカブリオは、2019年の生産終了までに合わせて4万台以上が全世界で販売された。後継モデルの発表は近いと噂されているが、このモデルはマセラティ史上初のフルEV(電気自動車)になる予定だ。
マセラティ グラントゥーリズモ スポーツ MCシフト 主要諸元
・全長×全幅×全高:4885×1915×1355mm ・ホイールベース:2940mm ・車両重量:1920kg ・エンジン種類:90度V8 DOHC ・排気量:4691cc ・最高出力:460ps/7000rpm ・最大トルク:520Nm/4750rpm ・燃料タンク容量:86L ・駆動方式:トランスアクスルFR ・トランスミッション:6速AMT(ATもあり) ・タイヤサイズ:前245/35ZR20、後285/35ZR20 ・車両価格(当時):1800万円
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May 11, 2020 at 04:30AM
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