限定200台とか、期間限定販売といった言葉に弱い日本人。最近では発売と当時に即完売するケースも出てきており、大人気となっている。
惜しくもそうしたクルマを買い逃した人は、中古車で買うという手が残されている。しかし、中古車価格を見ると、新車価格より高いプレミアム価格になっているケースが多い。
そこで、比較的新しい高年式の車種のなかから、新車価格より高い中古車をピックアップして、最高価格と平均価格、さらには新車価格よりどれくらい値が上がっているのか、新車価格からのアップ率を調べてみた。
文/萩原文博
写真/ベストカーWeb
プレミアム価格になりやすい車種は一定の傾向がある
コロナウィルスの影響で、品薄となったマスクやトイレットペーパーが高値で転売されるということがあった。
現在は禁止されましたが、どうしてこのようなことが起きるのかというと、買いたい!という人の数が、店頭にある品物の数を上回ってしまったという、需要と供給のバランスが崩れたことによる現象だ。
こういったことは中古車でも良く起きる。特に新車価格を中古車相場が上回ってしまう、いわゆる「プレミアム価格」になりやすい車種は一定の傾向がある。
まずは、新車の人気が高く納車が長期となるケース1。現在はスズキジムニーなどが当てはまる。
そして、生産終了となった絶版モデル。日産R34スカイラインGT-Rをはじめとした1990年~2000年代の国産スポーツカーがこのケース2だ。
最後に小ロット生産しかされない限定車。なかでもエンジンやサスペンションをはじめとしたシャシーに手を加えたモデルがケース3で、例えばスバルのSシリーズのようなクルマは中古車となっても高値安定となりやすい。
そこで、今回は現在、新車価格を上回る中古車価格で販売されているモデルを紹介し、価格高騰した理由と今後の価格変動について予想してみたい。
スバルWRX STI EJ20 Final Edition ↑新車価格から214.8万円アップ!
■2019年11月発売当時:452万1000円 2020年3月現在の平均価格:633.9万円。181.8万円アップ 新車価格からのアップ率は約149.1%
■最高価格は699.9万円(フルパッケージ)。新車価格から214.8万円アップ。新車価格からのアップ率約144.3%
1989年に登場した初代レガシィに搭載され、その後初代~2代目インプレッサでWRCにおいて輝かしい記録を残した名機EJ20型2L水平対向4気筒ターボエンジン。
そのスバルのレースシーンを支えたエンジンが2019年に生産終了となり、555台限定でWRX STIタイプSをベースとした特別仕様車EJ20 Final Editionが発売された。
2019年10月24日に発表され、同年11月11日に優先購入権の応募が締め切られたが、その数はなんと555台の約23.4倍となる、約1万3000件。その後、厳正なる抽選の末、555台が販売された。
EJ20ファイナルエディションは現在、中古車市場には7台流通している。最高価格は2020年式のフルパッケージ、走行距離90㎞、699.9万円。
続いて、2020年式走行距離10㎞のSTIスタイルパッケージが678.0万円、2020年式走行距離10㎞のフルパッケージが669.9万円、2020年式10㎞のフルパッケージが599.9万円など、走行距離はいずれも100km以下の登録済み未使用車で、平均価格は633.9万円となっている。
高値となっている理由は、先ほどあげたケース2と3に当てはまり、すでにWRX STIは絶版車となり、しかも555台という限定車だからだ。
今後中古車の流通台数は一時的に増える可能性はあるが、新車時価格以下のプライスとなる可能性はほとんどない。
スバルWRX STI TYPE RA-R ↑新車価格から89.9万円アップ
■2018年7月発売当時:499万8240円 2020年3月現在の平均価格:575万9000円 新車価格からのアップ率は約115.2%
■最高価格は589.8万円 新車価格から89.9万円アップ。新車価格からのアップ率は約119.8%
2019年12月に生産終了となったスバルWRX STI。ファイナルエディションも価格高騰しているが、2018年7月に限定500台で販売された特別仕様車の「RA-R」も新車時価格を上回る中古車相場となっている。現在、中古車流通台数は3台とさすがに少ない。
スバルの特別仕様車は人気が高く、価格が高騰しやすいのだが、このRA-RはSTI創立30周年記念のコンプリートカーというだけあって、気合いの入り方が半端ない。
まず、車体の軽量化にはじまり、搭載される2L水平対向ターボエンジンは最高出力308psから329psまでパワーアップ。
さらに足回りは専用開発されたダンパー&スプリングを装着し、イン側とアウト側で異なるコンパウンドを採用したミシュラン製タイヤなど、高騰する理由しか見当たらない。
個人的にはファイナルエディションより、こちらのRA-Rのほうが軽量版でスバリストの心を揺るがすスペックとなっており、高値安定は間違いない。
マツダ ロードスターRF 30周年記念車 ↑新車価格から169.6万円アップ
■2019年3月発売当時:430万3800円(MT車) 2020年3月現在の平均価格:573万円 新車価格からのアップ率は約133.1%
■最高価格は600万円 新車価格から169万6200円アップ。新車価格からのアップ率は約139.4%
1989年に登場し、2シーターオープンカーブームを世界中に拡散したのが、初代ロードスター。現在は4代目モデルが販売されているが、累計生産台数が100万台を超えるなど大ヒットモデルとなっている。
このロードスターの誕生30周年を記念して、専用色である「レーシングオレンジ」を纏った特別仕様車の「ロードスター30周年記念車」が2019年3月に発表された。
専用のボディカラーをはじめ、30周年記念の刻印が入ったRAYS社製鍛造アルミホイール、レカロ社製シート、ビルシュタイン製ダンパー(MT車のみ)そしてオレンジ塗装されたブレンボ社製フロントブレーキキャリパーなど専用装備を満載している。
ロードスター30周年記念車は世界限定3000台だが、日本の割当は当初、ソフトトップモデルが110台、RFが40台の合計150台となっていた。
しかし、ソフトトップは2019年4月5日から15日までの商談予約で、販売台数の17倍を超える1900台以上の申込みが殺到。
マツダはHPで「応募頂いたすべてのお客様に30周年記念車(ソフトトップモデル)をお届けできない事をお詫び申し上げます」と謝意を表明した。
予想を超える申込みがあったことを受け、RFの販売台数を当初予定の40台から139台ヘ大幅に増やすことを決定。RFは2019年5月27日から6月10日までウエブでの商談予約を受け付けたが応募者多数のため抽選販売となった。
現在、RFのMT車が2台中古車として流通しているが、最高価格は600万円と新車時価格はるかに上回るプライスが付いている。
専用パーツが満載なうえ、販売台数も少ないことから、値落ちはしづらく、プレミアム価格は長く続くだろう。
三菱ランサーエボリューションXファイナルエディション ↑新車価格から283.2万円アップ
■2015年4月発売当時:429万8400円 2020年3月現在の平均価格:520万円 アップ率は新車時価格の約120.9%
■最高価格は713万円 新車価格から283万1600円アップ。新車価格からのアップ率は約165.8%
かつては、スバルインプレッサとWRCで熾烈なチャンピオン争いを繰り広げた三菱ランサーエボリューション。しかし惜しくもスバルWRX STIより先に2016年3月に歴史に幕を下ろしている。
最後のエボとなったのは2007年に登場したランサーエボリューションXで、約23年にわたる歴史の最後を飾る特別仕様車として2015年4月から予約を開始したのが、限定1000台で販売されたファイナルエディションだ。
このモデルに搭載される2L直4ターボエンジンは最高出力313psまで向上、さらにこのパワーアップに合わせて、サスペンション、ブレーキ、タイヤは専用チューニングが施されたスペシャルモデル。
絶版車+専用チューニングという人気鉄板モデルだ。中古車の最高価格は走行距離283㎞の713万円。
平均価格は生産終了から4年が経過した現在でも新車時価格を上回る約520万円。流通台数は42台と豊富だが、いっこうに値落ちする気配すらない。
ホンダ S2000 2.2タイプS ↑新車価格から263万円アップ
■2007年10月発売当時:399万円 2020年3月現在の平均価格:406万円 アップ率は新車時価格の約101.7%
■最高価格は662万円 新車価格から263万円アップ。新車価格からのアップ率は約165.9%アップ
1999年に登場したホンダS2000は、ホンダが作った久しぶりのFR車ということで注目を集めた。
開閉時間わずか約6秒という電動開閉式のソフトトップを採用したオープンカーながら、「ハイXボーンフレーム」と呼ばれるボディ構造を採用し、オープンボディながら、重量を増加させずにクローズドボディ同等以上のボディ剛性と衝突安全性を両立しているのが特徴だ。
前期型は高回転型の2L、直4を搭載し、2005年のマイナーチェンジで2.2Lエンジン変更。さらに2007年の一部改良で、走りに磨きをかけたタイプSを設定。
タイプSは専用のエアロパーツを纏った外観そして、専用チューニングされたサスペンション。そしてアルミホイールにインテリアと専用パーツを満載したスポーティモデルだ。
モデル末期に登場したこともあり、販売期間は短く流通台数が少ないため、走行距離が2万㎞以内のものは600万円以上で流通し、最高価格は2008年式の1.3万㎞で662万円となっている。
今後は二極化が進み、走行距離の少ない高コンディションのモデルはさらに高くなり、走行距離の延びた中古車は新車時価格を下回るようになっていくだろう。
マツダ RX-7 スピリットR タイプA ↑新車価格から495.2万円アップ
■2002年3月発売当時:399万8400円 2020年3月現在の平均価格:464万円 アップ率は新車時価格の約116%
■最高価格は895万円 新車価格か495.2万円アップ。新車価格からのアップ率約180.7%
ロータリーエンジンを搭載したピュアスポーツカーと言えばマツダRX-7。1991年~2002年に販売された3代目RX-7の最後の限定車として設定されたのがスピリットRシリーズで、シリーズ合計1500台が販売された。
スプリットRシリーズにはタイプA、B、Cの3種類が用意されたが、2シーター仕様の5速MT車と最もハードなモデルがタイプAとなる。
ソフト塗装インテリアパネルや赤いステッチを施したステアリングなどに加えて、穴あきタイプのディスクブレーキ、高剛性ステンレスメッシュブレーキホース、ビルシュタイン社製専用ダンパーそして、レカロ社製専用レッドのフルバケットシートなど最後を飾るに相応しい装備がてんこ盛りだ。
最高価格は2003年式のスプリットR、タイプA、走行距離は7000㎞で895万円。
すでに生産終了から約18年が経過しているにも関わらず、新車時価格を中古車の平均価格が上回るというのは異常ともいえる状態だ。
今後もこの高値安定が続くと思われるが、中古車が市場からなくなる日のほうが近いかもしれない。
日産ステージア260RS オーテックバージョン
■1998年10月発売当時:446万5000円 2020年3月現在の平均価格:166万円 新車時価格からのアップ率は約37.1%
さて、最後に新車価格を上回っていないが、私が大穴だと目を付けた1台を紹介しておきたい。
1997年から販売された日産ステージアは、スカイラインと共通のシャシーを採用したステーションワゴン。
このステージアにR32型スカイラインGT-Rに搭載されているRB26DETT型2.6L、直6ツインターボエンジンを搭載したモンスターモデルが設定されている。それがステージア260RSオーテックバージョンだ。
前期型の1997年とマイナーチェンジを行った1998年に設定されているが、現在は後期型のほうが平均価格166万円と安くなっている。最高価格は300万円以上となっているが、改造車が多いため未掲載とした。
すでに20年以上前のモデルが、と考えると高いかもしれないが、あのGT-Rと同じエンジンを搭載していると考えれば、非常にバリューは高いと言える。
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March 22, 2020 at 05:00AM
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