「マツダ車の走りのクオリティがさらに上がった」――ここ最近、こうした声を耳に(目に)することはないだろうか。
コスモスポーツ、ロードスターやRX-7など、マツダの「走り」に対する思想レベルは、昔から非常に高いところにあるが、どのメーカーも同じように自動車開発をしてきた中で、なぜマツダ車は「走りがいい」と言われるのだろうか。
そしてその「走り」とは、いったい何のことを指しているのか。マツダの思想をひも解きつつ、セグメントごとに、他社車とマツダ車との、走行性能の違いをご紹介していく。
文:吉川賢一
写真:マツダ、日産、トヨタ、VW、スバル、ホンダ、ベストカー編集部
そもそも「走りが良い」とはどういうこと?
「走りの良さ」を示す世界標準的な指標はない。ひと昔前は、コーナリングの旋回Gの高さや、サーキットでのラップタイムなど、分かりやすい指標で代用した時代もあったが、
昨今は、「遅れが少ない」とか、「操縦した通りにクルマが動く」など、どの自動車メーカーも似たような「言葉による指標」を用いている。
筆者の場合、「走りが良いクルマ」は、「意のままに操縦できるクルマ」と定義している。決して速く走る必要はない。
基礎体力として、最高速度の高さや限界横Gは高いことに越したことはないのは事実だが、通過したいラインに沿って修正操舵が少なく通過できるか、ドライバーの意図に反した挙動が起きないかを見ている。
例えばコーナリング中にステアリングを補舵しているとき、路面突起や横風を受けたクルマがどういった挙動を示すかは、最重要で見るようにしている。
補舵中なので挙動変化は起きないで欲しいが、ドライバーの意に反する挙動の大きさは、そのクルマの素の姿が現れるからだ。わざと轍や突起を狙って走らせることもある。
なお、現在は、リアルワールドの走行シーンで感じる音振性能(ロードノイズや、フロアやステアリングなどから感じる微振動)も「走りの良さ」として見る評価者が多く、そうした総合力の高さをもって、「走りの質感が高い」と表現されることが多い。
マツダの「人馬一体」は安心・安全を最優先にしている
マツダが掲げている走りの思想といえば「人馬一体」だ。
マツダ広報によると「人馬一体とは安全・安心のこと」で「例えば、初心者が雨の日でも安心して運転ができ、いつの間にか楽しさをも発見できるような、ヒトとマシンのコミュニケ―ションが無意識に取れた状態を目指している。
その状態の中では、人とクルマが一体となったかのように、手足の延長線にクルマを感じ、意のままに操ることができる。究極は相棒の様な存在であり、ヒトとクルマはもっとひとつになれるはず」という思想だという。
その思想から生まれてきたのが、2011年頃から続くSKYACTIV技術だ。現在、ディーゼルエンジンや新形状シート、ペダルレイアウト、Gベクタリングコントロールなど、車格に関わらず上から下まで投入されている。
同クラスの他車に比べて走りは良いのか?
【マツダ2】 競合車はアクア、ノート、フィット
マツダ2の走りの強みは、小気味良いハンドリングと静粛性の高さだ。マツダ2に名称変更された昨年9月のマイナーチェンジで、ダンパーの応答性向上やタイヤ構造の変更によるロードノイズ低減、天井の吸音力増加など、質感を磨く技術が織り込まれている。
アクアやノート、フィットよりも、音振に力を入れており、その静粛性によって質の高い走りを感じることができる。
マツダは良い技術を定期的にブラッシュアップするため、後出しのライバルをキャッチアップするようにモデルチェンジをする。
ユーザーからは「もうチェンジするの?」とも言われてしまうことがあるが、進化を止めないマツダの姿勢は、もっと評価されて良い。
【マツダ3、CX-30】 競合車はカローラスポーツ、ゴルフ7、C-HR、ヴェゼルなど
無駄を削いだエクステリアで有名なマツダ3だが、その走りの質感の高さも、欧州車と同等レベルまで進化している。特に静粛性に関しては、ディーゼルエンジンだということを忘れてしまうほどに、よく抑え込まれている。
ゴルフのディーゼルはかなり強めのエンジンノイズを発しており、明らかにマツダ3が勝っている。
乗り心地はゴルフに比べると硬さを感じるシーンがあったり、カローラスポーツと比べてギア比がスローだったりと特徴はあるが、このレベルまで作りこまれた走りをもつマツダ3は、稀に見る一台といえるだろう。
CX-30も同様に、カテゴリ内ではダントツで静粛性が高く、落ち着いたハンドリングを持つクルマだ。
【CX-5】 競合車はRAV4、エクストレイル、フォレスター、CR-V
静かで乗り心地が良く、ディーゼルエンジンとの相性も良い、優れたSUVだ。全高がそれほど高くなく、コーナリング時に頭がグラッとするような余計な動きも感じにくい。
このカテゴリは競合車が強すぎるため、CX-5は存在感を出すことに苦労しているが、マツダの国内販売台数を支えている一台でもある。路面外乱にも強い、素直な足回りの設定がなされている。
ドライビングポジションやペダル配置といった、走りを支える部分の作り込みが優れているため、他社車と比べて、CX-5の走りが馴染みやすく感じる。
【マツダ6】 競合車はカムリ、ティアナ
スタイリッシュなセダンと荷室の広いツーリング、どちらを選んでも、静粛性が高く、安心できる走りは、誰しもが魅力的に感じることができるだろう。
やや長めのオーバーハングによって、鼻先の動きにはやや遅れがあるように感じるが、ディーゼルのトルクでグイグイと進むセダンの動力性能とあわせたハンドリングは、魅力のひとつだ。ディーゼルエンジン+6MTでぜひとも乗ってほしい。
【ロードスター】 競合車は86/BRZ
他のマツダ車とは違って、静粛性を磨いていくのではなく、ワインディングでの気持ちよさ、人馬一体を最も感じやすくなるよう、部品選定がされているクルマだ。
約1000kgのロードスターの軽いボディの走りは実に軽快。ステアリングを握り、やや固めの足回りからタイヤのしなりを感じながら走り出せば、その辺の交差点でさえ軽快さを感じられるだろう。
1250kgほどの86/BRZよりも200kg以上も軽いため、より軽快さを感じられるだろう。古典的でローテクなクルマだけに、まさに馬を手なずけるような感覚を覚える。
筆者は、人馬一体の実現には「人間の進化」も合わせて必要だと考える。
何でもクルマが補ってくれるのではなく、ドライバーもクルマを理解し、ドライバーとクルマが「人馬一体」の水準を一緒に上がっていく「相棒」に最も近いのが、ロードスターのように感じる。
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March 03, 2020 at 07:00AM
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