毎月200店以上の新車ディーラーを回り、「生」の新車情報を届けてくれる流通ジャーナリストの遠藤徹氏。今回まずは、次期型アルファードの発表&発売時期、発売されたライズの話題など、トヨタ系の情報を中心に。
また、マツダの新鋭CX-30への反応、ホンダ フィットの販売延期、新型アコードの発売次期、日産ティアナ生産終了など、最新情報をお届けします!
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※本稿は2019年10月のものです
文:遠藤 徹/写真:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2019年11月26日号
■トヨタ 次期型アルファードは2022年中盤に発売か?
次期型アルファードは姉妹車のヴェルファイアを統合し、2022年中盤にも投入する方向で開発を進めているようです。
今年末の12月18日には一部改良、2020年5月にはかなり大幅なマイナーチェンジを実施し、現行モデルの商品力をさらに強化します。
一部改良では装備の充実化や安全対策の強化、2020年のマイナーチェンジでは内外装の変更に加え、ボディカラー&グレードの再編を行いますが、改良されるのはアルファードが中心でヴェルファイアは大きく変えない見込みです。
なお、この2020年のマイナーチェンジではアルファードだけに1本化する方向で検討を進めています。
■トヨタ 新型コンパクトSUV「ライズ」発売スタート
トヨタは11月5日、新型コンパクトSUV「ライズ」を発売しました。納期は年末ぎりぎりの12月下旬になっています。
先ごろ行われたディーラーの営業関係者向けの商品説明会&試乗会で、ライズはコンパクトサイズながら広い室内とパワフルな走りが好評だったといいます。
先行予約では本革仕様シート、アルミホイールなどを標準装備した最上級グレードの「Z」が全体の半分以上を占めています。発売当初からトヨタ全系列店で扱われます。
2020年前半にかけては月販6000台以上を売り、登録車ではSUVのトップセラーに浮上する可能性があります。価格は下の表のとおりです。
■トヨタ 12月2日、プレミオ/アリオンを一部改良
トヨタは12月2日、プレミオ/アリオンを一部改良します。今回は先進安全装備の「トヨタセーフティセンス」を全車標準装備にするほか、燃費モードを従来のJC08モードから実用燃費に近いWLTCモードに切り替えます。安全装備の標準化で価格アップはしますが、大きな価格変更はなさそうです。
■トヨタ プレミオ/アリオンの次期型は「プレミオ」へ統合か?
トヨタの小型セダンであるプレミオ/アリオンは「プレミオ」への統合で、2021年に世代交代する方向でプロジェクトが動いているようです。
両モデルとも廃止との情報もありましたが、カローラとカムリの間の車格が離れていることから、次世代モデルの投入に踏み切るものと思われます。
次期モデルは3ナンバーサイズに拡大され、パワーユニットは2Lのガソリンエンジンやハイブリッドを搭載し、最新のトヨタセーフティセンスなどを標準装備して世代交代する見込みです。
■ホンダ 次期型フィットの発売は1カ月延期
ホンダは11月下旬を予定していた次期型フィットの発売を目下のところ延期しています。
新たに採用する電動パーキングブレーキの不具合により、生産ラインを一時的にストップさせる必要が生じたためです。
次期型フィットは10月中旬から先行予約をすることで、年末までに3万台以上もの受注獲得を目指していましたが、立ち上がりから出鼻をくじかれた格好です。
11月下旬の予定でした発売は12月下旬以降となります。先行予約の開始は11月中旬あたりまで、1カ月以上先送りされます。
不具合のあった同じ部品は新型N-WGNにも使われており、こちらも組み立てラインが止まっています。したがって、ホンダは販売台数が大幅に落ち込む見通しとなっています。
次期フィットとN-WGNを合わせると4万台規模の生産遅れによる影響が出る見通しとなっています。
■ホンダ 次期型アコードは2020年1月に発売へ
ホンダはアコードのフルモデルチェンジを当初12月下旬に予定していましたが、2020年1月に1カ月程度先送りします。次期型フィットの発売の遅れや新型N-WGNの一時的な生産ストップなどが影響しているものと思われます。
ホンダカーズ店では北米仕様の写真が刷り込まれたパンフレットを配布し、ティザーキャンペーンをスタートさせています。従来モデルはすでにオーダーストップし、在庫のみの販売となっています。
■マツダ CX-30の人気は微妙?
マツダが9月20日に発売開始した新型SUV「マツダCX-30」の人気は評価が割れています。
走行性や使い勝手、クォリティでは評価は高いが、ミディアムクラスのわりに価格が高いうえに値引きを極端に抑えているため、購入を決めるまでにかなりの時間がかかり、受注ピッチが充分に上がらない傾向にあります。
売りであるSKYACTIV-X車の販売構成比が10%と低く、これは350万円以上という割高な価格がネックになっています。
2Lガソリン車よりも約70万円高いため商談に時間がかかり、値引きを5万円引きと引き締めているのも要因といえます。販売店はマージン幅が大幅に縮小していて、値引きしたくてもできない状況にあります。
■マツダ2の世代交代は2020年9月頃の見通し
マツダは2020年9月にも主力コンパクトモデルの「マツダ2(旧デミオ)」をフルモデルチェンジする見通しです。
新開発のプラットフォーム、改良型1.5Lガソリン、クリーンディーゼルのほか、ロータリーユニットを発電に使う「エクステンダーユニット」や「1.5L SKYACTIV-X」などが開発中で、これらのどれかが搭載される見込みです。
■日産 ティアナは今年末にモデル廃止
日産は今年末にも上級FFセダン「ティアナ」をモデル廃止とすることで検討を進めています。先にキューブの廃止を傘下ディーラーに伝えていましたが、この時点では継続のスタンスでした。
しかし、最近になってモデル廃止を決めたのは、販売台数がさらに落ち込み、生産維持が難しいとの判断があったためと思われます。
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November 16, 2019 at 03:00PM
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