登録車の販売ランキングでは10月に続いて11月もカローラが1位。4位にライズも入りトヨタの新型車は売れている。
そんななか流通ジャーナリストの遠藤徹氏からは、発売前から予約を始めていた新型車のトヨタ ヤリス、ホンダ フィット、スズキ ハスラー、そしてダイハツのOEM供給モデル3車の好調ぶりが伝えられてきた。
日産 復権の行方、さらにホンダ シビック・ジェイドこのままだと日本撤退!? といった話題と合わせてご紹介。
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※本稿は2019年12月のものです
文:遠藤 徹/写真:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2020年1月26日号
■トヨタ ヤリスは絶好調の滑り出し。納期はすでに2020年3月に
11月7日に事前の予約を開始したトヨタの新型コンパクトカー「ヤリス」の販売が絶好調の滑り出しを見せています。11月10日現在の納期は、早くも2020年3月上旬にずれ込んでいるのです。
エンジン別では、1L、1.5L、1.5Lハイブリッド、それぞれ同じくらいに受注が進んでいます。グレード別では、多くが中間グレードのGタイプで占められています。
生産は1月10日に開始されます。そして1月22~24日の3日間は全国ネッツ店の展示発表会を一斉に実施し、以降本格的な販売活動をスタートさせる予定です。
■ホンダ新型フィットも負けてない! 先行予約は絶好調の立ち上がり
ホンダは新型フィットの価格を販売店に伝えて、先行予約を開始しました。正式な発売は2020年2月中旬を予定しています。
立ち上がり時の予約段階ではメインの「ホーム」バージョンの引き合いが目立ちます。すでに12月下旬現在までの予約受注段階では早くも1万台の大台を突破し、年明け早々には納期が2020年の5月以降に先送りになりそうな気配になっています。
■ホンダ 新型N-WGNは1月中旬から生産を再開!
9月から電子制御パーキングブレーキの不具合対応で生産を休止していた新型N-WGNは、2020年1月中旬から生産を再開する見通しです。
休止している間も受注は継続していたため、バックオーダーは3万台以上に達していると推定されます。2月からはほぼ完全なフル生産に入ることから、月販台数は1万台規模に拡大し、軽ハイトワゴンのトップモデルに浮上することが予想されます。
■スズキ 新型ハスラーが絶好調で2代連続のヒットになるか!?
スズキは新型ハスラーを12月24日に発表、2020年1月20日から発売します。そして12月上旬に価格を決めて、事前予約の受付を開始しました。
新型はすでに好調なピッチで受注が進んでおり、上級グレードのXや同ターボの2WDを中心に引き合いが多くなっています。ボディカラーは圧倒的に2トーンカラーの希望者が多くなっています。
ちなみに、1月20日の予約受注までは5万円の用品プレゼントのキャンペーンを実施しています。
新型は初代のような爆発的な人気の高さでピーク時に月販1万台を突破し、納車半年待ちといった現象が再び発生するのか? 注目されます。
■ライズ ルーミー タンク…ダイハツのOEM供給車が連続ヒット!
ダイハツが開発、トヨタにOEM供給しているコンパクトハイトワゴン「ルーミー/タンク」と新型コンパクトSUV「ライズ」がともにヒット作となり、メーカーの収益を上げる原動力になっています。これに呼応するように、ダイハツブランドのオリジナルモデルである「トール」「ロッキー」のほうも好調に売れています。
ルーミー/タンクは2016年11月上旬に発売。以降、売れ行きは月販1万5000台規模で推移しており、ダイハツの工場ではフル生産を続けています。
2019年11月5日に発表、発売を開始したライズもしかりです。月販目標を4100台に設定したのに対して、1カ月後の受注台数はその8倍に当たる3万2000台に達しているのです。
ダイハツのオリジナルモデルも同様に目標を大幅に上回っています。
これまではトヨタブランドは販売力の強さで目標を達成していましたが、ダイハツブランドは販売力とブランドパワーが弱く売れゆきは伸び悩むケースがほとんどでした。しかし、この3モデルはトヨタ、ダイハツ両ブランドとも好調な販売推移と立ち上がりぶりとなっています。
■日産 新車販売2位奪還に向けて最後はホンダと決戦!?
日産は2022年に向けて、国内新車販売の2位奪還を目指す中期計画を進めています。現在日産は、年間新車販売台数でトヨタ、ホンダ、スズキ、ダイハツに次いで5位に甘んじています。そのポジションをかつての2位まで引き上げることは日産にとって悲願であるわけです。
日産が全国に展開している販売店舗数や営業人員は、ホンダとほぼ肩を並べています。スズキやダイハツをはるかに上回っているのです。
あとは遅れている商品ラインナップの整備ですが、日産の場合、今後3年間で2~3車種ずつの戦略ニューモデルを投入する必要があります。これを実現しないと2位奪還は難しいのが実情です。
主軸モデルであるノートをはじめエクストレイル、セレナ、デイズ/デイズルークスのほか、新規モデルを数車種投入しないと達成できない可能性があります。
ホンダに対してはコンパクトミニバン、コンパクトステーションワゴン、コンパクトセダン、ミディアムハッチバックなどの対抗モデルを日産は持っていません。当面、これらをカバーする必要がありそうです。
■ホンダ シビック、ジェイドは生産継続が難しい?
シビック、ジェイドの国内向け車両が販売不振で生産販売の継続が難しい状況です。
シビックは2020年1月10日発表、23日発売でマイナーチェンジして販売の回復を目指しますが、首都圏の販売店筋によると「グレード数が少ないうえに価格が高すぎて売りにくい。このままだと販売中止に追い込まれそうだ」と頭を抱えています。
ジェイドもしかりです。「両側スライドドアのほうがニーズは高く、買い手が極端に少なくなっています」と販売店では話しています。
シビックは北米やヨーロッパ、ジェイドは中国で、それぞれ好調な販売を続けており、グローバルでは収益の高いモデルとなっています。しかし日本だけが売れゆき不振の状況にあります。
■2020年秋にレクサスISがビッグマイナーチェンジ実施
トヨタのプレミアムブランド、レクサスのミディアムセダン、ISは2020年秋にビッグマイナーチェンジする予定です。このマイナーチェンジでは、内外装のデザイン変更、新グレードの設定、カラーバリエーションの再編などが行われる見込みです。
現行ISは2020年中盤には登場から7年が経過します。普通に考えればフルモデルチェンジの時期です。そのため今回はモデル一新が見送られたことも考えられます。
そして、これは将来的にISクラスのFR車が廃止になるのを見込んでのもので、そのためにISはビッグマイナーチェンジで対応するのではないかと、販売店筋で囁かれています。
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January 19, 2020 at 03:00PM
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