広州モーターショーが開幕した。トヨタは「レクサス」として初めてのEV「UX300e」を世界初披露した（22日、広東省広州市）
【広州=湯沢維久、比奈田悠佑】中国の広東省広州市で22日、自動車の国際展示会「広州国際汽車展覧会（広州モーターショー）」が開幕した。米ゼネラル・モーターズ（GM）やトヨタ自動車が高価格帯の多目的スポーツ車（SUV）を披露した。中国では中低価格帯の販売が振るわない一方、高級車市場は堅調で各社は需要の取り込みを競う。
GMは「ビュイック」ブランドで主に中国市場を念頭に新開発したSUVを展示した。座席を電動で畳んで荷室を広げるなど使い勝手にこだわった。シートに牛革を採用するなど内装の品質を高めたモデルの価格は37万9900元（約585万円）。GMの主力合弁会社の王永清総経理は「おおらかで優雅なデザインで非凡な味わいを打ち出す」と力を込める。
トヨタは高級車ブランド「レクサス」として初めての電気自動車（EV）「UX300e」を世界初披露した。SUVで航続距離は約400キロメートル。価格は未定で2020年春に中国で、同年夏に欧州、21年前半に日本にも投入する。22日の発表会で中国でのレクサスのマーケティング責任者は「中国の消費者の動向を踏まえて開発の方向性が決まった」と説明した。
独ダイムラーは高級ブランド「メルセデス・マイバッハ」で初めてとなるSUVを世界に先駆けて披露した。20年下半期にも発売する。中国事業を担当するウベルトゥス・トロスカ氏は「中国は真の高級ブランドの最大市場だ」とする。
各社が中国で高級車に力を入れる背景には市場の変調がある。業界団体によると19年1～10月の中国の新車販売台数は1662万台で前年同期に比べ8.3%減少した。一方で高級車に限ってみると180万台と10.8%増加した。中所得層と富裕層で自動車購買の差が開き始めた。
中国では地方政府の財政難や米中貿易戦争による輸出低迷で経済成長が減速。また住宅購入を主因に家計の債務残高は直近5年間で2.4倍に急拡大した。経済減速と相まって家のローン返済の負担感が強くなり、車の購入や新調に踏み切れない人も増えている。一方で富裕層の自動車の購買意欲はなお高い。
幅広い品ぞろえを武器に中国の乗用車市場で首位を走る独フォルクスワーゲン（VW）も中国向けの戦略車として新しい多目的車（MPV）を発表した。同市場を重視する姿勢をアピールした。中国子会社のステファン・ウルフェンシュタイン最高経営責任者（CEO）は「20年に40億ユーロ（約4800億円）以上を中国市場に投じる」と話した。
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November 22, 2019 at 11:10AM
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広州モーターショー、高級車競う レクサス初のEVも - 日本経済新聞
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